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~ 雑 想 ~



明日あるみなさんへ

 

  今、明日あるみなさんにおこなってほしいこと、

  それは、まずしっかりと根を張ることです。

 

  種から目覚めた植物が一番最初に姿を現すのが、根っこです。

  しっかりと根を張ることで雨、風に負けず、自らの体を支えることができます。

  そして一番大切な水分や養分を根っこから得ます。

  ではみなさんが根を張るとは、いったいどういう事でしょうか?

  それは、みなさんが今なすべき事にきちんと、全力で取り組むことです。

  それは何でしょうか?

  勉強であったり、家の手伝いであったり、

  みなさんの周りにある、ありとあらゆる物を経験し、

  そこから学びとる事です。

  それがこれからのみなさんの土台になり、養分となります。

 

  大きな樹を思い出してください。

  大きな樹になるほど、地面の下にしっかりした根っこを持っていることを…。

  そして、根っこを失くした樹が呆気なく枯れてしまうことを…。

 

  根っこが張ったらどうしましょうか?

  それは、枝や茎をたくさん伸ばすことです。

  枝や茎をたくさん持つ植物ほど、いっぱい葉っぱを持っていますね。

  そして葉っぱがいっぱいある植物ほど、たくさんの陽光を浴びて、

  たくさんの栄養を作り出します。

  そんな植物ほど、元気ですし、大きく育ちます。

  時には、心地よい木陰を創りだしてくれます。

 

  でも枝や茎が刈りとられたり、折れてしまうこともあります。

  それはみなさんにとって、失敗したときかも知れません。

  でもまた思い出してください。

   しっかりした根を持ち、成長を続ける限り、また新しい芽が出てくることを…。

 

  どうぞ失敗を恐れず、いろいろな方向に枝や茎を伸ばしてください。

  様々に枝や茎を伸ばした植物に、1つとして同じ形のものは在りません。

  人と違う形だと悩んだり、人が自分と違う形だからなんて、考えなくていいんです。

  1つ1つ違う形、それがみなさんの個性です。

  そしてどうぞ、みなさん、

  自分と違う形を 「あぁ、こういう形もあるんだなぁ」 って、認めてあげてください。

 

  さて最後に、じゅうぶん枝や茎の伸びた植物は、どうなるでしょうか?

  そう、みなさんもよく知るように、花を咲かせます。

 

  この2つの植物を見てください。

 

 

野路菫

白野路菫

 

  花の色、全然違いますよね。

  でも実はこの2つの植物、同じ種類なんです。

  種から育てた植物では、同じ植物なのに違う花が咲く。

  こういったことがたくさん起こります。

  そして私のような人間には、かけがいのない楽しみなんです。

  この植物は、いったいどんな楽しみをくれるだろうか、

  芽吹いてから花が咲くまで、ワクワク楽しい時間が続きます。

 

  でも咲いた花にどちらが良いか、美しいかなどありません。

  どちらも同じ種から生まれた子どもたちです。

  もしこれがみなさんだとしたら、この花もみなさんの個性です。

 

  みなさんの種の中には、一人一人違う花が眠っています。

  それをどうぞ大切に育ててください。

  暖かい陽の光を求めて、植物がどんどん生長するように、

  みなさんも暖かい陽の光に向かって進んで来てください。

  それはご両親であり、

  おじいさんおばあさんであり、

  また学校の先生方であり、

  そして私たち、社会に暮らす大人です。

 

  花咲く姿は、みなさん一人一人違うけれど、

  それを楽しみに待っててくれる人が必ずいます。

  言い換えるならば、必ず誰かの、そして社会の役に立っているのです。

  咲かない方がよかった花など、1つもありません。

  そして、それぞれ咲いた花を 「へぇ、君はそういう花が咲くんだ!」と、

  お互いに褒めてあげてください。

  それが私から、明日あるみなさんへのお願いです。

 

                                     (2007.4.1)




雑 想


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