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~ 植物との語らい ~



七草粥

 

  正月休みも、あっと云う間に過ぎ、早七日。

  今日は七草粥を食する日で、人日又は七草の節句とも云う。

  皆さんはもう召し上がっただろうか。

  その来歴は コチラ をご覧いただくとして、

  七草粥は元来、羹(あつもの)*と呼ばれる熱い汁物であったらしい。

  ただ汁物とは云っても、現代の澄まし汁のようではなく、

  ポータジュスープのようなドロド状態、と云えば、理解しやすいだろうか。

  それが稲作の普及と共に、白米主体の粥に変わったと想像できる。

 

  さて七草だが、云われを中心にご紹介したいが、

  そこからは元日~6日まで肉尽くめだった身体や胃腸を休めると共に、

  身近な青物摂取で寒冬を乗り切る力、すなわち厄払いの知恵が含まれているに違いない。

 

  芹(セリ)

   水辺に生える芹科の多年草。

   独特の香気が食欲増進、消化を助ける。

   その名は、1ヶ所から競り合って生えることに由来する、と云われる。

  薺(ナズナ)

   油菜科の越年草**で、ぺんぺん草はよく知られた別名。

   今日、七草で登場する時以外は雑草と云われるほどだが、

   古くから民間薬に利用されるなど、各種薬効に優れる植物。

   解熱・痛み止めや下痢止め・止血・利尿や便通・生理不順・高血圧に効く。

   夏に枯れるので夏無(なつな)、撫でたいほど可愛いので撫で菜(なでな)からの転訛など

   その名の由来には諸説ある。

  御形(ゴギョウ)

   菊科越年草で、母子草(正しくは這子草)の異名。

   御形とは形代(かたしろ)と呼ばれる、一種の身代わり人形のこと。

   這子(ほうこ)も赤ん坊のそばに置く形代で、後に母子に転訛した、と思われる。

   全草が細毛に覆われ、白っぽく見えることから、穢れや罪の祓い、

   すなわち形代に利用された、と考えられる。

   今日、草餅と云えば蓬(ヨモギ)だが、かつてはこれが原料だったとされ、

   その効用として鎮咳や去痰がある。

  繁縷(ハコベラ)

   撫子科の越年草で、小鳥の給餌植物としてよく知られるが、

   おひたしなど食用の他、民間療法で利尿や浄血に効き目があるとされる。

   尚、難しい漢字表記は生薬名にちなむ。

  仏ノ座(ホトケノザ)

   畦道などやや湿った場所に生える菊科の越年草、小鬼田平子(コオニタビラコ)の異名。

   その名は冬季中のロゼット様***が、仏座の蓮型に見えることにちなむ。

  菘(スズナ)

   油菜科越年草で、蕪(カブ)の異名。

   その根形が鈴に似ることから鈴菜が転訛したとも、

   古語のスズが涼、青(明緑)を指すことから、その瑞々しい葉色に由来するとも云われる。

   根はジアスターゼやアミラーゼを多含し、疲れた胃腸を整える働きを持つ。

   一方ビタミンCやB1・B2、カロチンなどを多含する葉の方が、栄養価は高い。

  蘿蔔(スズシロ)

   菘と同じく油菜科越年草で、大根の異名。

   菘の代用とも、葉が青々しく根が菘よりも白いから、とも云われる。

   作用効果は菘同様であり、その点からも菘の代わりに使ったことがうかがわれる。

 

 

    *羊羹:中国では文字通り羊肉を使った羹を意味するが、

        鎌倉時代、中国に留学した禅僧が羊羹を模した小豆と砂糖で作る蒸し餅、

        羊肝餅を持ち帰ったのが最初と云われる。

        その後、茶の湯菓子として出す際、肝を羹に改めたらしい。

 

   **一年草の一種だが、秋の発芽後、冬季は生長を一旦停止

     春を迎えると生長を再開し、初夏に開花・結実するライフサイクルに由来

 

 ***元来、八重咲きバラの花型に由来し、

    一ヶ所から放射状や螺旋状に並ぶ様子を表わしたが、

    今日では一般的に冬季の地表で節間が詰まって平たく、

    葉が放射状になる様子で使われる。 

       その具体例として、冬季のタンポポの様子が示されることが多い。

      個々の葉をロゼット葉と呼ぶ。

 

                                          (2008.1.7)




植物との語らい


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