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~ 植物との語らい ~



栴檀 私考

 

  ここ尾張西部では既に花の盛りを過ぎ、散った樹が多いが、

  樹上で涼やかに咲き薫っていた栴檀。

  古来、中国で白檀を指した栴檀が、なぜ日本ではこの樹に当てられたのか、

  以下、私見である。

 

  栴檀の撥音zhantanがサンスクリット語のcandanaを表音したものから判るとおり、

  まず白檀がインドから中国へ仏教とともに伝わった。

   ↓

  それが江戸時代、栴檀という表記と概念だけが文献を通して、中国からもたらされ、

  実際の樹木、白檀は伝わらなかった。

   ↓

  そして、その概念に適合する植物探しが始まり、結びついたのが今のセンダンだった。

  その後、中国で呼ぶところの栴檀(本当の栴檀)、すなわち白檀が入って来たが、

  既にこの時は現在のセンダンが栴檀として認識されていたので、

  別の樹名、白檀を当てた、というワケだ。

 

  では何故、古来オウチ(またはアウチ)として認識され、

  楝の字が当てられていたにもかかわらず、栴檀が優位になってしまったのか。

 

  それは栴檀という表記・概念の伝わったのが江戸時代、

  儒学(朱子学)盛んな時代であり、それは中国思想を最重要視することを意味する。

  それ故に、日本古来の楝、オウチ(またはアウチ)は埋没し、

  中国から伝わった栴檀に取って換わられた、のではないだろうか。

 

                                          (2007.6.12)




植物との語らい


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