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◆梅雨を迎えて (2007/June)
東海地方も6/14、梅雨を迎えた。
夏の尾張地方の特徴である、じとじと蒸し暑いのは勘弁して欲しいが、
アジサイの似合う、雨上がりのすがすがしい朝か、
しとしと降る小糠雨のちょっと梅雨寒むの日だったら、許せる。
いづれも、浴衣を着て和傘をさす美人にたたずんで欲しい、風景である。
所で、アジサイは南方系の植物だと思う。
蒸し暑い、この時期に花咲くことも一つにあるが、決定的なのはその性質だ。
みなさんよくご存じの通り、アジサイは土質によって花色が変わる。
酸性土では青色、アルカリ性では赤く、である。
では何故、青く咲くのか?
それは、アジサイが土中に存在するアルミニウム分を吸収するからだ。
このアルミニウム、
他の植物にとっては生長を阻害する、いわば毒だ。
その毒をあえて吸収・消化し、無毒化する進化を遂げることで、
アジサイは生存競争に打ち勝ってきた。
アルミニウムを多含する土壌は、実は南方に多い。
南国を旅された方は、見覚えがないだろうか?
赤く焼けただれたような土を!
あれはラテライトと呼ばれる、雨で有機物が亡流し、乾季の照りつけるような太陽で
水分が蒸発する際、残った鉄やアルミニウムが酸化した強酸性土、
つまり、アジサイが好む土なのだ。
現にラテライトを含む南西諸島には、アジサイと同属の植物がいくつも自生する。
伊豆半島は有史以前の遥か太古の時代、地殻変動によって南方にあった島が移動し、
日本列島にぶつかった場所で、今でも更に北上しようとしているし、
その移動エネルギーで出来たのが富士山であることは、よく知られている。
そんな歴史背景をもつ伊豆半島の地質は、南西諸島や伊豆諸島のそれに近い、と聞く。
そこがアジサイの自生する島だったら…と考えると、伊豆半島に自生種が多いのも頷ける。
以上が、アジサイが南方系の植物と考える2つめの理由だ。
さて梅雨の話しに戻ろう。
僕は、日本人が日本人たる所以は梅雨にある、と思っている。
梅雨と云うと、今の季節だと(時に今の季節だけだと)思う人は多いだろう。
でも実は、日本は年四回の梅雨をもつ。
つまり、季節季節の変り目(尾張弁で間さ)ごとに梅雨は存在する。
春と夏の間が、今の梅雨、
夏と秋の間は秋雨(または秋の長雨)であり、
秋と冬の間が山茶花梅雨、
そして冬と春の間が、菜種梅雨である。
移りゆく季節の間ごとに梅雨があるからこそ、
日本人の微妙なバランス感覚は培われてきたのではないだろうか。
四つの梅雨を迎えるたびに、次に訪れる季節を予兆し、
心身ともに準備してきた暮らしが、そこにあったのではないだろうか。
しっとりと雨に煙るアジサイを観るたび、
あぁ日本人に生まれて(日本に暮らして)良かった!と思う今日この頃である。
(最上段左から:紫陽花、甘茶、白花紫陽花、山紫陽花 '紅')
(中上段左から:額紫陽花 '伊豆の華'、'コメット'、山紫陽花
'小田虹'、水無月)
(中下段左から:'アナベル'、斑入り葉額紫陽花、柏葉紫陽花、達磨糊空木)
(最下段左から:額紫陽花、褪色した白花紫陽花、山紫陽花
'東雲'、紫陽花)
※Plants-sheet.comでコチラを掲載しています
紫陽花 (Hydrangea macrophylla)
額紫陽花 (Hydrangea macrophylla f. normalis)
山紫陽花 (Hydrangea serrata)
糊空木 (Hydrangea paniculata)
糊空木 '水無月' (Hydrangea panuculata f. grandiflora)
亜米利加糊木 'Annabelle' (Hydrangea arborescens 'Annabelle')
柏葉紫陽花 (Hydrangea quercifolia)
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