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◆さくら咲きて (2007/April)
今年もまた、さくらの季節を迎えた。
薄墨の上にひとつまたひとつとあかりを灯すように、花色を重ねていた冬景色が
雲間から射した御光のように、さくらの開花で一気にパッと明るくなる。
そしてそれが他の植物たちへの合図だったかのように、灯る花色が急速に増えていく。
さくら。
ひととき万葉の時代、春の花の主役を梅に譲ったけれど、
いにしえよりずっと日本人の心の拠りどころであった花。
さくらの語源は、穀霊、すなわち稲作の神(さ)のお座りになる場所(くら)。
深き森のあった縄文の時代、人々は葉より先に花咲く桜を御神木として崇めたらしい。
その証拠に、丁寧にさくらの樹皮を巻き、さらにウルシまで塗布した弓が発掘されている。
これは普段使いではなく、狩猟の成功を祈る儀式に使われた可能性が高い、と云う。
そして、酒を飲みごちそうを食べる花見は、
農耕の時代、豊年満作を神と共に予め祝う予祝行事にルーツを持つという。
さて今宵、夜桜見物へでも洒落込みますか。
(上段左から:豆桜、五条川の染井吉野、河津桜、枝垂桜)
(下段左から:寒避寒の全景と花、椿寒桜の全景と花)
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